デザイナーコースでは、最終試験としてセルフブランディグの企画プレゼンテーションを行いました。数ヶ月にわたり、自分自身と素直に向き合って、本当の自分が求めている心の声に耳を傾 けてきました。


 
プレゼンテーションの中で、これまでの仕事の体験を話してくれた方がいました。それは取引先の仕事をされた時に、自分の考えは一旦横に置いておくようにという上司のアドバイスを受けた時の事でした。「先方の伝えたい事を第一に考える様に。それでもそのなかに自分の考えはにじみ出るはずだ。」と言われて、やってみると本当に多くの人々に喜ばれるものになったと言う事でした。
そんなエピソードをふまえた今回のプレゼンテーションや企画書の書面の中にも、彼女自身が今回、突き詰めてきた核になるコンセプトが凝縮されていて、この先どんな仕事の中にも光っていく様な気がしました。

また、今まで洋服を作る技術の方に関心があると言われていた方が、デザインの方に進んでいく方向転換を決めたと言う事を、
プレゼンの中で決意されました。私自身も彼女の様な選択を10年近くかかってしてきましたので、とても感動しました。
技術を突き詰めていくと、㎜単位のバランスや、糸調子のわずかな強弱・・・全てがデザインで出来ている事に気が付きます。ひとつひとつの選択自体がデザインしていると言う事でもあります。色々な分野に視野を持たれているので、それを生かし統合したりまとめたりしていく新たな可能性をも感じさせて頂きました。





 
スペシャリストコースでは、最終試験を行いました。
また1月コースの方は、自由にデザインをする応用課題を完成させられました。子供向けにぴったりの愛らしい刺繡に仕上がりました。
服飾関係の事は全く未経験でいらっしゃいましたが、一つ一つの課題を丁寧に取り組まれ、“努力に勝る才能はない”という事を見せて頂いたようでした。
 

そして7月コースの方々は、ややテクニックを要する、ストレッチ素材への刺繡に取り組まれています。通常刺繡枠にはしっかりと生地を張っておくのですが、手に技術がしみつくと、薄 くてストレッチの効いた柔らかい素材に対しても軽やかに刺繡をしていく事が出来ます。しばらく練習され課題を進めるうちに、針を上下し手が動く様になって来ています。これも、今までの積み上げて来た経験や手があるからこそだと感じました。 スタート時の頃を思い出すと想像も出来ない技です。
 




オートクチュールスぺシャルコースでは、試験となるドレスの完成をし評価会をしました。それぞれに完成までの過程を振り返り、自分が体験した事や学んだ事を皆と共有し、一区切りする事が出来ました。聞けば聞く程、ひとつひとつの仕事の中で結晶されてきたものがキラキラ光る様でした。

今回技術面でも総合的にも最も良かったグループのドレスはこちらの作品です。
メンバーの優れた職人の様な技術者タイプの方が、今回はコミュニケーションや進行・マネジメント力も発揮され、とても成長されました。
また、どの方も透明糸を使った刺繍の難しさを実感されていましたが、見事にやり抜かれました。今回のドレスは、下半身に切り替え線は一本もなく、模様に沿った地図の様なパーツをドレーピングと手仕事でつないでいきました。ある意味で新しい服作りでもありました。計画的に進め、ひとつひとつの作業が丹念に重ねられ、よく見ると花びらを一枚一枚アップリケされた細部にまでセンスも感じられました。


 

 


みんなの投票で一番人気だったのはこちらのドレスです。特徴は違えど、どのドレスの刺繡も細かく細部まで作り込まれていた中で、このドレスが選ばれた理由は、何だと思いますか?いろいろな要因はあると思いますが、もしかしたらその一つは刺繡をする事の喜びが溢れている点かもしれません。


今回はどのグループも合格されました。デザイン変更などがありながらも、最後のラストスパートが効いたグループはこちらです。シンプルなデザインや刺繡でしたが、仕上がりの何とも言えないさりげない美しさが感動的でした。マッケット(ドレスにする刺繡の見本)を作り込んでおく事の重要性を感じていらっしゃいましたが、最後のスパートの勢いで最初から取り組まれていたとしたら、さらにすごいものが出来ていたかもしれません。細部は、次回またご紹介させて頂きます。
本当にお疲れ様でした
素晴らしいクリエーションに挑戦され、合格、おめでとうございます。
当日、急遽フォローに入って下さいました方にも、心から感謝致します。本当にありがとうございました。




今週も皆さんのクリエーションの時が輝きます様に。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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