3年間のEU入国禁止

前回は寄付活動の難しさについて触れさせていただきました。
今回は、立ちはだかった決定的な壁、3年間のEUへの入国禁止になってしまったこと。
そこからどのように進むべきか考えていることについて触れさせていただきます。
クロアチアのドゥブロブニクでは、毎回、寄付活動は警察に指示された場所で活動していたにもかかわらず、繰り返し警察沙汰になるということを3回繰り返しました。
そして3回目に、クロアチアからの追放およびEUからの出国を指示されました。
ここまでくると来ると、どれほど指示に従っても、寄付活動を妨害されているようにも感じてしまいます。
なぜ言われた場所で活動しているのにダメなのか?
それとも、これは準備されたシナリオなのだろうか?
とも思えてしまいます。
私は数年前に、日本の大使館の方にベラルーシの移民局で相談することを勧められて行くと、相談する間もなくその場で70日間、無実の拘束をされた時のことを思い出しました。
そしてポーランドでは追放されたくないと思い、電車でスロベニアのルビアナに行きました。
河沿いの古い街並みの景観が心に染み込むような美しさと優しさに感激しました。
ポーランドに次ぐ、‘‘寄付活動をずっとしたい場所‘‘になりました。

そしてイタリアのミラノに行きました。
2ケ国で大丈夫なら、ポーランドも大丈夫かもしれないと考えていました。
ミラノに到着すると、ドゥオーモをはじめとする宗教的かつ歴史的な建造物がひしめきあう都市の壮麗さに感動しました。
大聖堂の寄付活動への意欲は高まりました。
ところが警察のコントロールも厳しく、ほとんど出来ませんでした。
唯一の救いは、バスの待ち時間に、短時間でもと思って活動したとき、3人の学生の女の子たちが、ボランティアをしてくれたことです。
ボランティアといっても、彼女たちが折ってみたい。
と言ってくれたので折り紙を渡しただけですが、楽しいひと時になりました。
3人のうちの一人の子が折り方を知っていて二人に説明してくれました。
完成したころ、警察がやってきて注意を受け、中止することになりました。
ドイツから来ていた女性や現地の人々が警察の対応に抗議してくれ、感謝の気持ちで一杯になりました。
ベネチアでも許可が必要だと注意を受けて中止しました。
もうルビアナに戻りたいと思い、国境付近の都市に移動しました。
真夜中の3時過ぎに滞在していたホステルに警察が来ました。
他の滞在している人たちも目を覚ましてしまい、恐縮しました。
警察の方々に部屋の外への移動をお願いしました。
そして翌朝9時に、警察に来るようにと言われました。
何だろう?
翌朝9時に尋ねると数時間待ち、指紋を取られたりしました。
その後、日本人の通訳者の方が来てくださいましたが、小学生くらいの男の子でした。
彼は‘‘大使館‘‘や‘‘亡命‘‘という言葉のイタリア語が分からなくてお母さんに聞いたり、スマートフォンで調べていました。
私も簡単に話さなければなりません。
ほとんど説明できないまま、3年間のEUへの入国禁止が言い渡されました。
待ち時間にとうとう泣いてしまいました。
止めようと思っても、押し殺す事が出来ない感情が溢れました。
EUで活動できない事。
婚約者にも会えなくなること。
私がクロアチアの警察からの警告を破ってEUに入国した為だ。
という事は事実です。
自分の未熟さを痛切に感じました。
同時に、このような決定を出国前日の深夜にホステルに押しかけたり、子供の通訳で強引に進められること。さすがにこんな事は最近なかったので、混乱していました。
生きていることが苦しい…
そんな現実でした。
そして‘‘署名をすれば帰れる。‘‘と言われて、書面の内容の説明もないまま署名をしなければなりませんでした。
その後、私はルビアナに向かいました。
夜に数時間、寄付活動をしました。
街灯に照らされた美しい街と寄付下さる方々の心に癒されました。
この町で助けてくれた友人に会いたかったのですが、連絡する元気もなく深夜にルビアナを出ました。
もうとにかくEUから出なければならないと思っていたのです。
そしてベオグラードに来ました。
ここではホステルの気さくで親切な人々に癒されました。
寄付活動をしている時に出会った友人にも支えられ、やっと心が落ち着きました。
これまでのことを考えることができました。
妨害などの外部要因があったとしても、そもそも日本人がEUに滞在可能な90日の期限に対して安易な行動をした自分の選択が間違っていたことは事実です。
それを考えると、こんな自分がこのようなプロジェクトをすることが出来るのか?
と自分を責める気持ちが止まりません。
わかっていて綱渡りをしました。
それは戦争の火種が世界に広がろうとしている現実を、無意識的に感じていたからです。
‘‘無意識的‘‘にというのは、しばらくニュースを見ていなかったにもかかわらず、実際に起きていることを感じ取っていたからです。
現実は予感していた通りになってきていました。
危険な綱渡りだとわかっていても、走るしかない。
そう思って決めたことでした。
それでも、大聖堂の寄付活動ができない地域が出来てしまったことには後悔しかありません。
自分の未熟さに嫌気がさしました。
全てを手放すような気持になったとき、すべてを捨てポーランドで一人で生きていくことを決めたときと同じ気持ちになりました。
‘‘この大聖堂建設が私のミッションであるなら、生かしてください。‘‘
そう祈りました。
‘‘そして本当にミッションであるなら、この寄付の折り鶴を通して主の愛を人々に届けさせてください。希望を届けさせてください‘‘
家族や婚約者、友人に対しても主の愛に包まれるように祈りました。
そして以下の書籍のメッセージに出会いました。

欠点も魅力の一つ 
隙のない男性も隙のない女性も、やっぱりある意味で完璧ではないんですよ。
本当の完璧っていうのは完全無敵というのは、完全武装しているのが完璧と思いがちなんですけれども、そうじゃないんです。
本当の”完成した美”というのはちょっと欠けているものがあるんです。
これは利休のお茶なんかとも似ていますけれどもね。
茶碗とか少し欠けているとか、ひびが入っているとか、こんなものに味わいがあって、きちっと出来上がっているものなんかには、それほどの”究極の美”はないんですよね。
同じく人間も、あの人ここだけちょっとだけ、ここだけちょっとなおれば完璧なのになあ。
と思うのにちょっと弱点があるな、と。
これが魅力なんだと思います。
ああこの人こんな欠点があったのか。
みたいなところで”ホッとするところがあるので、そういうところをお見せになったほうがいいかと思いますね。
だから全く欠点のない人には、人はそんなに惹かれない。という事も知っておいたほうがいいと思いますね。
大川隆法著 『身体コンプレックス』より
*肉体的な外見に対する悩みを心理的、精神的な問題として捉え、自己肯定感を高めるための考え方が説かれた書籍。

これを私自身やプロジェクトの欠点に置き換えたときに、違う視点が見えてきました。
もしも私が完璧にスポンサーを集め資金準備をして大聖堂建設をしていたら、今まで寄付に参加して下さった人々の寄付や愛も生まれなかっただろう。
私には、こんな形でしか出来なかったために、多くの人々の手によって地球の新たな大聖堂が誕生しようとしている。
ネガティブな噂などもPRの一つになり、人々に大聖堂の建設に向けて動いていることが知られる機会になったのであれば良いのではないか?
最初の頃から、世界の一人でも多くの人々と共に創り上げたいと思っていました。
最終的には建設が実現したかどうかになります。
自分の未熟さだけに囚われすぎず、協力して下さる人々の真心を大切にして築いていこう。
そう思えてきました。
寄付活動は、国や都市によって中止を迫られることもあれば、何も言われないこともあります。
ベネチアなどは事前にオンラインで許可を取れば可能だと教えていただきました。
全ての国や都市が同じではないので大変ですが、主の導きを信じて前進していきたいと思います。
これまでの寄付活動では集まった寄付金を生かして以下の内容をクリアしてきました。
寄付金の使途
2025年7月‐8月・・・ポーランドのソポトでの寄付活動のテスト(滞在費・交通費)
         折り紙のジュエリーの品質の向上。
2025年8月‐9月・・・ワルシャワ・クラクフ・ウッチでの寄付活動(滞在費・交通費)
         折り紙のジュエリーの品質の完成。
2025年10月‐11月・・・オーストリア・クロアチアでの寄付活動(滞在費・交通費)
         折り紙のジュエリーの寄付額を上げてテストし、決定。
         折り紙の展示器具のリニューアル
今後の寄付活動と共に進めること
2025年11月‐2026年3月・・・EU以外のヨーロッパやその他の地域での寄付活動(滞在費・交通費)
                                                プロジェクトのファウンデーションの設立
              ・HPの開設
              ・シルバー製のジュエリーの開発
2026年4月‐8月・・・ヨーロッパ以外の地域での寄付活動(滞在費・交通費)
            ・ボランティアチームの結成

これまでの寄付をはじめとする皆様の応援とご支援に心から感謝いたします。
皆様の未来の希望を明るいものに出来るよう、一歩一歩を大切に進めて参ります。
今日も皆様にとって素敵な一日になりますように。
 
Photo: by Pixabay
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